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元お笑い芸人を「成果が出せるビジネスマン」に育てた上司がしたことは? 〜事例③元上司:犬尾裕史さんの場合〜 ロングインタビュー!!

2018.9.26

お笑い芸人には、今、企業が欲しい人材要件が揃っている!?


 

犬尾裕史さん

株式会社シェイク 取締役/Original Point株式会社取締役
大学を卒業後大手ホテルグループに入社。現場を経験した後、人事部にて業務に従事。その後、大手コンサル企業に入社後、中小企業を中心に幅広い業務を行い、全国No1、数々のMVPの実績を上げる。
現在は、企業向け人材育成企業である(株)シェイクの取締役として、企業の人材育成課題の解決に従事している傍ら、Original Point(株)の取締役として大学教育の支援にも携わっている。

※株式会社俺 代表取締役 中北の命の恩人であり採用を決断した人。


ー 本日はどうぞよろしくお願いいたします。早速ですが、中途採用で、なぜお笑い芸人の経歴を持つ中北さんに会ってみようと思ったのでしょうか?

犬尾さん(以下、敬称略):私の中で、お笑いをやっている人の特徴というのがいくつかありました。例をあげると、負けん気の強さや粘り強さ、圧倒的なコミュニケーションレベルが高さやチームワークなどです。弊社は人材育成の会社なので、「人」そのものに対する理解の深さも大事にしています。表面的ではなく、人の綺麗な部分と醜い部分、その両面を目の当たりにしている面や、恩とか縁というものをすごく大切にされる方のイメージを、お笑い芸人に対して持っていました。

企業の人材育成では、過去の前提やしがらみ、社会の常識のようなものが強くあるのですが、本質的には、それを超えて考えるべきであると思っていました。弊社は、『イキイキと働く人を一人でも多く増えてほしい、個人から、会社から、もっと日本を元気にしたい』という想いを掲げています。そこに本当に必要なものは、仕事ができるスキルや能力というより、物事に取り組むスタンスや人に対しての深みや感性、人を笑顔にするやり方みたいなものが、個人的にはすごく大事だと思っています。それは、「お笑い」と通じるものがあると思っていました。たまたま、お笑い芸人という経歴を持った中北さんの履歴書を目にして、この人に会ってみたいと思いメンバーに一次面接をお願いしました。

ー 実際、お会いしてみてどんな印象でしたか?また、なぜ採用しようと思ったのでしょうか?

犬尾:一次面接を担当した方からは、「可能性はあるかもしれない。ただ、思考力が少し弱く、ビジネスで通用するかの判断に迷う」と言われました。二次面接で私が実際に会ってみて、「率直に面白いし、ポテンシャルの高い方だな」と感じました。洗練はされていないけれど、思考ポテンシャルがあり、表面的なコミュニケーションではなく、様々な観点から考えてコミュニケーションを取れる方である印象を持ちました。また、自分の考えていることを率直にどんどん伝えてきてくれました。その時に盛り上がった話が、“明治大学で教える「婚育」の授業”という本の話でした。婚活してもなかなか結婚ができないから、婚活する前に育成をするという話。その話の中で、 物事を捉える観点も面白いなと思いました。中北さんは、「人」という観点のプロフェッショナルであり、企業や社会で働くということに対しての当たり前や枠組みがなく、スケールの大きさを感じました。

採用する上で、気になった点は、そもそもパソコンとか使えるのかなと。

「パソコンとか使える?」と尋ねたら、「入社までには、できるように勉強してきます」って即答してきました。そんなこと言う人いる?(笑)って一瞬思いましたが、できないと思わずにどうしたらできるかを考えられる思考プロセスや、成長する覚悟を私はプラスに捉えました。また、中北さんはネタを作っていたということもあり、オチや、人の感情の起伏をストーリーで描けるということは、弊社で言えば研修プログラムのストーリーや、営業のストーリーとか、様々な面で展開できる能力なので、その点もプラスに評価しました。

また、お客さんがほとんどいない舞台でも、全力でネタをよくしていたという話などから、度胸やメンタル面のタフさも評価しました。今の若手で、そういった泥臭い経験や、メンタル面のタフさを持った人は少ないので、こういった点もプラスに捉え、私は中北さんを採用することを決めました。

芸人時代に培った能力は、あらゆる場面で活かせる


ー 入社してからは、どんなことを意識してかかわりましたか?


犬尾:私が意識したことは、2つありました。1つ目が、初めはとても苦労するだろうなと。働いたことがないので、組織のことを知らないし、仕事って何?っていう状態なので、その部分への中北さん自身へのケアが必要だなと思いました。2つ目が、知らないことが多いことや、経験がないことに対して、他のメンバーからはマイナスに取られてしまうことです。なので、周りに対してのケアも必要だなと思って意識して関わりました。

内定が出てから入社まで1ヵ月ほどあったのですが、その間、早く仕事を覚えたいので、無給でもいいから働かせて欲しいと中北さんに言われたので、電話対応や地道な入力作業などをお願いしました。それを、私は中北さんの良いブランディングを作る期間として、「これだけ意気込みがある人材である」ことを、意図的に社内にアピールしていました。

ー 実際入社してから、一般の新人や中途社員にはない、お笑い芸人ならではの能力だなと思うことはありましたか?

犬尾:たくさんありました。まずは、怖じしない、いい意味での図々しさがある、チャレンジ精神がある、失敗しても全くめげない、行動力がある、これらは主体性があると言い換えても良いと思います。また、様々なシナリオを考えられるので、営業ストーリーとか物事の進め方とか、誰を仲間にしていくか、誰を巻き込んで、どう動かしていくと良いのか、というステークホルダーマネジメントという概念があるんですけれど、それを地でやっていました。

先程、最初苦労するだろうと思ったとお伝えしましたが、想定以上に立ち上がりが早かったですね。素直で成長意欲もあるし、どんどん行動し、失敗してもめげないので、一般の他の社員より、圧倒的に経験を積むスピードが早いなと思いました。

また、人とのコミュニケーションも上手い。相手に合わせて、距離感などを上手くとりながら、巻き込み方や動かし方を柔軟に変えていける。これは、今までの芸人時代の経験から身についた力だと思います。芸人という個性的な方がいっぱいいらっしゃる中で、どうコミュニケーションをとると良いのかを試行錯誤しながら身についたスキルは、普通の学生や社会人には持ち合わせない高いコミュニケーション力だと思います。特に、営業としてのお客様とのコミュニケーションは抜群に上手かったです。形式ばった営業トークではなく、人の懐に入るというか、人としての距離の詰め方や、お客様の信頼を獲得するとか、お客様の求めていることを感覚的に捉えられる能力に長けているので、お笑いで培ってきた能力を活かせる場面はたくさんあったと思います。

若手の居場所を作り、離職が止まった


ー 中北さんが入社したことで、組織にはどんな変化がありましたか?

犬尾:大きく2つあって、1つ目は若手の離職がなくなりました。中北さんが入ってから3年以上、若手の離職者がいませんでした。2つ目は、職場の生々しい情報が上がるようになったことです。私は、オフィスを不在にすることも多く、役員という立場もあるので、リアルなオフィスの状況が入ってこないことが多いのですが、この人少し元気ないです。とか、こんなことで悩んでいるので、この人と飲みに行ってあげて欲しいとか、そういうことを意図的に中北さんが私に情報を上げてくれました。私としてはとても心強かったです。

離職に関してもう少し言うと、最近の若手は自分の居場所を求める傾向が強くあります。中北さんは、一人ひとりにちゃんと居場所を作り、一人ひとりにスポットを当てて、ここはお前の出るところだぞという場面をいっぱい作って、フォローしていました。若手も、中北さんがいるから安心して前で発言できるという構造が出来ていました。当時の若手は、みんなそうやって中北さんに居場所を作ってもらっていましたね。中北さんは若手を飲みによく誘っていました。飲みには1対1で行く訳でなく、いろんな人を巻き込んで、人と人とを繋ぐことをやっていたなと思います。中北さんを通じて、横を繋ぐってことをやっていたから、関係性ができ、その後の仕事の進め方がスムーズになったり、その人の居場所もできる。会社としては、正直、相当なメリットがあったなと思っています。これはお笑い芸人だからというより、中北さん個人の特性かもしれませんが。

ー 中北さんは、どんな意識で若手と関わっていたのでしょうか?

中北: シンプルに仕事を楽しんで欲しいなと思っていました。変な話、会社にいる人がみんな友達だったら毎日行きたいなって思うじゃないですか。だから、私は縦だけでなく横の関係も重要だと思っています。仕事が辛くても、周りに友達がいたら頑張れる、そういう感覚でしたね。ちなみに犬尾さん報告していたのは犬尾さんほど、人を深く観てる人はいないので、犬尾さんに言えば何とかなるだろうと思って、元気がない人のことや、社内の状況を伝えてましたね(笑)。

若手が先輩や上司と飲みに行くと、フィードバックされたりして正直あまり楽しくないじゃないですか。でも、飲み会で褒められたり楽しい場だとしたら、みんな行きたくなると思うんです。そういう飲み会にしたいと思ってました。あと、一人ひとりキャラクターがある中で、若手の打ち出し方をちゃんと決めてあげることは意識していましたね。一見ネガティブに見えるところが、その人のチャームポイントだと思っているので、うまくそういう面を活かしながら、スポットが当たるように関わっていました。

むしろ、お笑い芸人を採用しない理由はない


ー お笑い芸人を受け入れる現場の方に向けて、何かメッセージはありますか?

犬尾: お笑いをやりきった感がある人であれは、個人的には採用した方が良いと思います。今、多くの企業が欲しい人材要件が揃っていると思います。企業が困ってることとして「若手の元気がない、ガツガツしていない、すぐ辞めてしまう、主体性がない、周りを巻き込めない、想いがない、行動しない、こじんまりしている」とか、そういった若手の課題をすべてクリアできる人材として、芸人は選択肢としてあると思います。企業は、今、そういう人が欲しいんだと思います。ただ、PCスキルがないとか常識がないとかリスクに目がいってしまうんだと思います。だけど、そんなことは、すぐに調整できます。芸人だった方は、コミュニケーション能力も高いし、行動力もあるしガッツもあるので、職場が活性化しますし、むしろ採用しない理由はないと思います。もちろん、始めサポートする人や仕組みは大事だと思いますが、そこだけ整えたら採用した方が良いですね。

ー  転職を考えているお笑い芸人に向けてメッセージはありますか?

犬尾: ビジネスの世界も面白いよということを言いたいです。人生長いからやり直しもきくし、働く先もいっぱいあると思います。何といっても、企業は人手不足で苦しんでいますから。面白い仕事も、面白い人もいっぱいいますので、どんどん入ってきて欲しいなと思っています。

ー 芸人ネクストへの今後の期待はありますか?

犬尾:中北さんとは、個別に何度もお話させて頂きましたが、芸人ネクストはすごく価値ある事業だと思っています。受け入れる企業側にとっても、これから芸人を辞める人にとっても。人生諦めずに、未来を切り拓く人を一人でも増やして欲しいと思っています。

一人でも多くの片の人生に影響を与え、これからの日本にも大きなインパクトを与えて欲しいと思っています。

ー 本日は、貴重はお話をお伺いすることができ、ありがとうございました。

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